症例&コラム

サイナスリフトについてについて

サイナスリフトについて

他院でインプラント治療を断られてしまうことがあります。なぜでしょうか?
原因は様々ですが、多くの場合、上顎の奥歯を支える骨の高さが、インプラントを埋入するのに十分に足りていないということがあげられます。
インプラントを行うためには抜歯が必要となりますが、抜歯後骨吸収が起こり、上顎洞底部までの骨の高さが乏しくなる場合はインプラントを埋入することができません。
なぜなら埋入するインプラントが上顎洞を突き抜けてしまい、支えることができなくなるためです。

当院では「サイナスリフト」と呼ばれる処置を行うことで、上記状態でもインプラントを行うことを可能にしています。 サイナスリフトは上顎の骨を増やす、骨再生という治療になります。
上顎洞の底の部分に骨補填材を埋入し、3~6ヶ月程度かけて骨が再生されるのを待ちます。

サイナスリフトは高度な外科手術が必要になる為、院内に手術を行える歯科医師が在籍していないクリニックもあります。
その場合は手術を断るか、手術のできる歯科医師を派遣して行うという選択肢になりますが、歯科医師を派遣してもらう場合は数か月待たなければいけないこともあるようです。
当院では口腔外科手術に精通した医師が多数所属しており、常時手術可能ですのでお悩みの方は是非ご相談ください。


サイナスリフトの流れ

  1. 歯肉を剥離
    局所麻酔を行った後、歯肉切開し、歯肉を剥離します。
    サイナスリフト01

  2. 上顎洞前壁を切断
    上顎洞前壁(上顎骨)をピエゾサージェリーという超音波切削器具を用いて切削します。
    サイナスリフト02

  3. 人工骨を填入させるスペースを確保
    上顎洞前壁を摘除して上顎洞粘膜を剖出させ、骨から剥離させます。
    上顎洞粘膜を挙上して人工骨を填入させるスペースを確保しまます。
    サイナスリフト03

  4. 人工骨を填入
    人工骨を填入します。
    サイナスリフト04

  5. 縫合
    吸収性の人工膜および患者様から採取した血小板膜にて穴を塞ぎ、縫合して手術終了となります。
    サイナスリフト05
  6. インプラント埋入
    吸収性の人工膜および患者様から採取した血小板膜にて穴を塞ぎ、縫合して手術終了となります。

当院の強み:ピエゾサージェリーの使用

ピエゾサージェリー 当院ではサイナスリフトを行う際、必ずピエゾサージェリーを使用します。
骨を切削する際、回転切削器具を使用される施設が多いようですが、上顎洞粘膜の損傷をきたすリスクが高いです。
ピエゾサージェリーは骨を切削する音波数で用いるため、理論的に軟組織を損傷することはありません。
回転切削器具に比べて切削時に要する時間は長くなりますが、当院では安全を優先してピエゾサージェリーの使用を徹底しています。


当院の強み:寝ている間に手術が行える

当院でサイナスリフトを行っていただく場合、静脈内鎮静法を無料で行っています。
他の手術を併用する場合など、手術時間が長くなる場合などは全身麻酔も可能です。
なるべく恐怖心を排除して手術を受けて頂けると自負しています。


当院の強み:拡大鏡使用下での精密な手術

当院では7-10倍の拡大鏡を使用した状態で手術を行います。
上顎洞粘膜という薄い組織を骨から剥離してゆく繊細な手術となりますので、当院では拡大鏡の使用は必須事項としています。類似した処置としてソケットリフトという術式がありますが、別の機会に説明させていただきます。


起こりうる偶発症・注意事項

  • 患部の疼痛・腫が7-10日程度みられます
  • 口腔内出血・鼻出血が数日間みられることがあります
  • 鼻をかむのは主治医の許可が出るまで控えて下さい(1か月程度)
  • くしゃみも同様に控えて下さい。ただし生理現象ですので、どうしても出てしまう場合は口を開けて行ってください。

【監修】歯科医師 金丸健太

長崎大学歯学部卒業
外科治療を中心に診療をしております。特に外科矯正を多数経験しており、お顔のバランスと噛み合わせを考えた治療をご提供いたします。