症例&コラム
全身麻酔と静脈内鎮静法の違いについて
全身麻酔と静脈内鎮静法の違い
静脈内鎮静法はウトウトと眠ったような状態になりますが、完全に意識がない状態ではありません。
まれに、治療中に目が覚めてしまう場合がありますが、静脈内鎮静法には健忘作用があり、治療後には治療中のことを覚えていられる方はほとんどいらっしゃいません。そのため、痛みや不快感なども感じることなく治療を行うことが可能です。
一方全身麻酔は完全に意識をなくした状態にすることのできる麻酔方法です。
深度の深い麻酔になるので気管内挿管を行い、人工呼吸器を使用することになりますので、安全を確保するためにしっかりとした状態管理ができる機器が必要となり、歯科クリニックで全身麻酔が行える施設は多くありません。
当院では全身麻酔を安全に行うことのできる専用のオペ室があり、年間数十件ほどの全身麻酔での治療を行っております。
全身麻酔は全ての治療において併用することができますので、インプラントなどの大掛かりなオペから、歯科恐怖症、痛みに弱い方には虫歯治療にもご利用いただけます。
全身麻酔が向いている方
- 静脈内鎮静法では覚醒してしまう場合
- 体動が激しい場合
- 長時間の麻酔が必要になる場合
- 歯科恐怖症が強い方
静脈内鎮静法との比較
静脈内鎮静法 | 全身麻酔 | |
---|---|---|
麻酔深度 | 少し意識が残ることがある | 完全に意識がなくなる |
呼吸 | 自発呼吸 | 気管内挿管下での人工呼吸 |
体動 | みられることがある | ない |
麻酔からの覚醒 | 帰宅まで数十分程度の安静 | 帰宅まで数時間の安静 |
全身麻酔法の流れ
-
初診
全身麻酔法の説明。基礎疾患やアレルギー、内服状況の確認 -
全身麻酔検査
心電図、胸部レントゲン、採血検査(心電図、胸部レントゲン検査は関連医院で行っていただきます) -
治療前
手術開始6時間前から絶飲食となります。 -
治療開始
体調確認を行い手術となります。 -
治療後
術後、数時間リカバリールームにて安静にしていただきます。徐々に意識が戻ってきます。
問題なく覚醒し、歩行可能となればご帰宅となります。
【監修】歯科医師 院長 井上勇人
昭和大学歯学部卒業
歯医者が怖い患者様に寄り添いながら治療を行っていきたいと考えております。安心してどんなことでもご相談ください。