症例&コラム

補綴学会認定医が行った歯周再生療法について

補綴学会認定医が行った歯周再生療法

歯周再生療法 渋谷 歯医者
こんにちは、オーラルプロポーションクリニック 歯科&矯正歯科の歯科医師の渥美です。
他院で毎月歯周病の治療を行っていらっしゃいましたが、歯茎が腫れ、食事時など噛むと違和感が続いており、抜歯しかないと言われたと、紹介を受けた患者様がご来院されました。
できるだけ抜歯を行いたくないというご希望をお持ちでしたので、レントゲンなどを拝見し、歯周再生療法をご提案いたしました。

歯周再生療法は、歯周病によって失われた歯の周りの組織(歯槽骨、歯根膜、セメント質)を再生させ、歯を長持ちさせるために行う治療です。
通常の歯周病治療では、最近を除去して進行を抑えることはできますが、一度失われた組織を元に戻すことはできません。
そのため、歯周再生療法を行うことで、歯をしっかりと支える組織を再生し、歯の寿命を延ばし、抜歯を防ぐことが目的となります。

歯周病が進行すると、歯を支える歯槽骨や歯根膜が破壊され、歯がぐらつき始めます。歯がぐらつくと噛む力が低下し、そのまま進行してしまうと、従来では抜歯が避けられませんでした。
しかし歯周再生治療を行うことで、そういった症状を治療する事が可能になりました。
歯周病で歯槽骨が失われたがまだ歯を支えられる状態や、歯がぐらついているが抜歯を避けたい場合、歯茎が下がり見た目やかみ合わせが気になる場合には歯周再生療法が最適です。

歯周再生療法には「エムドゲイン(Emdogain)療法」「GTR法(組織再生誘導法)」「骨移植」「リグロス(歯周組織再生剤)」といった治療法があります。
今回は患者様から「大きなオペをしたくない」というご要望があったため、エムドゲイン療法を用いた歯周再生治療を行いました。

エムドゲイン(Emdogain) は、歯周組織再生療法 に使用される医療材料になります。
主成分は エナメルマトリックスタンパク質(EMD:Enamel Matrix Derivative) となり、エムドゲインを歯根に塗布することで、歯周組織の再生を促していきます。
エムドゲインは歯の発生過程に似た環境を再現することができるため、歯周組織の再生を促し、失われた歯根膜やセメント質を再生し、歯をしっかりと支えることができるようになります。

エムドゲインを用いた歯周再生療法の特徴

・ 歯周組織の再生
・ 歯周ポケットが深くなり、歯槽骨が失われた部位で新しい歯根膜や骨の再生を促す
・ 外科的手術と併用
・ フラップ手術(歯肉を切開して歯根を清掃する手術)と併用して使用
・ 本来は抜歯が必要な場合も、歯の保存が可能になるケースがある

歯周病再生療法術前後 渋谷 歯医者 術後3ヶ月の写真です。骨の再生がおこなわれたのが確認できます。
患者様が感じられていた違和感が減ったため、再生療法後はご自身の通院している歯科医院の方にお戻りになられました。
歯周病がなかなか治らない、抜歯しかないと言われてしまった等、お困りの場合は一度ご相談いただければと思います。

【監修】歯科医師 渥美憲人

補綴認定医
患者様の口腔内全体を考えた全顎的な治療をご提供しています。